実録マフィア映画の生きる伝説であるマーティン・スコセッシ×ロバート・デニーロのコンビが、なじみの名優たちを勢ぞろいさせてその上アル・パチーノまで迎え入れてしまった3時間29分の大作。
これのためにネトフリ加入したくらいなのだが…うーん。
繰り返すけど3時間29分です。長い!そもそもタイムスケール使い込みがちな監督だけどさあ。
問題は長さよりプロットだろうか。時系列があっちこっちするから印象がバラけてしまう。
CG技術による役者の若返りもなあ~。映像からある種の張りが失われてるし体の動きまでは誤魔化せない・おじいちゃんなのまる出しだし…。主人公たちがムショにぶち込まれ、段々と死別していくあたりからは生身の勝負になってやはりデ・ニーロ上手いなと感心したけど。
時間制限のない配信サービスという場所と、このメンツがそろうのも最後との意識があったのか「自分にできる映画テクニックの総まとめ」という雰囲気もある。パーティーの裏で交わされる有力者たちの駆け引きなど、コッポラによる「ゴッドファーザー」シリーズを引用しているようだった。まあ~それも評判の悪い「part 3」的なユルさなのだが…。
一部の批評家たちのいう「そろそろ『映画の時代』終わりそう…」問題とかスコセッシ本人によるコミック映画批判とその余波など、諸々がより影を濃くしている時期なので、最短距離で観客をノックアウトするような作風を期待したのだが…。
ネトフリは資金力はあっても製作面において巨匠と渡り合えなかった…のかな。スコセッシのファンからするとそういう事にしておきたい。