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アイリッシュマンのYのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
5.0
2度目を観てさらに理解が深まったので加筆しました!▼

ゴッドファーザーを彷彿とさせるマフィアの半生。
映画館で観て良かったです…!!
ジョー・ペシ、アル・パチーノ、ハーヴェイ・カイテルら超名優たちの迫真の演技は全部永久保存だし、ロバート・デ・ニーロは何年分演じたんだろう…何十年分を演じているんだけど、多くを語らず表情から全て推測できる感情、彼の性格はずっと変わらない「常に真っ直ぐなちゃんとしたマフィア」で、これはもう神様レベル。
一緒に出ている若手たちよ、彼らの演技を1滴も漏らさず見ておきなさい??
と、なんの立場か分からない説教モードで終始鑑賞しておりました。

戦後のアメリカ、ケネディの暗殺、キューバ危機。主人公フランク・シーラン(デニーロ)の回想から時代の変遷が分かります。この時代のイタリアンマフィアたちは、こんなにもアメリカの社会を動かしていたなんて…!
演出でとても好きなのは、フランクの長女ペニーの成長。フランクの人生においてなにか重要なことがある節目ごとに彼女は父の姿をただじっと見ています。彼女の目を通して分かる、裏社会の力と闇、父への想い。

スコセッシ、全力を出し尽くしたのでしょう。マフィア文化、イタリアン移民への理解が深くて、映画への愛が深くて、映像も音楽も素晴らしく、笑いのセンスにもたけてる。生まれ育ったニューヨーク愛も随所に現れています。
そしてなにより人間関係や信仰に重きを置いて。これら全てを全部映画で表してしまうスコセッシ、神かな。

スコセッシの映画って、明らかになんか「おかしな」人がたくさん出てくるんだけど、みんな変なやつで、みんな愛すべき人って思えるキャラ設定がとても好き。人と違ってても変なやつでも別に気にするな?唯一無二の愛すべき人間だよ?って言ってくれてる気がして。これも、人間観察力に長けているスコセッシだからこそできる表現なのでしょう。
人生はあっという間。

強くて頑固で人生を生き延びてきた彼ら、それでも今夜も扉を少し開けて寝るのです。
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