トム・フォード、監督作品2本目にして堂に入ってます。確固たるビジョン。BGMまで制御する。美の何たるかを知る人。『シングル・マン』で見せつけた隙のなさをコントロールし、その完璧さを発揮するシーンは本当に痛ましく胸に刺さる。
リアリストがロマンチストに復讐される。野心や欲望のある人間は、いずれ肥大したそれらによって自らを滅ぼす。冒頭で肉体をさらけ出し、無邪気に踊り続ける醜悪な女たち。
女の孤独と虚栄を突いた作品かと。あぁ残酷。アーミー・ハマーはシナモンロールのようにあまーい男を演じるのがほんと上手い。歯にしみるほど。騒動からしばらく経ちましたが、果たして復帰できるんでしょうか。