西村権太郎

ノクターナル・アニマルズの西村権太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

作風や物語の構造は気に入ったけれど
劇中劇が心底不愉快!

謎に手錠外しちゃう、
油断する、
リベンジも全然スッキリしない。

外っかわの勝手なイメージだけで観たから、
劇中劇の、ああゆう感じを観る気分じゃなかったのに突き付けられて
あ〜不愉快と思いました。

とは言えトム・フォード作品は
ア・シングル・マンも観ましたが
割と商業的に撮れる人だなあと思っています。映画としては良いものでした。

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結論を言うと、この映画のメッセージは
やっぱり復讐だと思いました。
劇中でハッキリ壁に書かれてますし。

でも復讐が、
「ご飯の約束をすっぽかしてザマア」
な訳はないので、ちょっと考える必要が有るんですが、割と難しくなく

復讐は
「貴様はこうゆう奴で、家族を殺した」
と突き付ける事でなされています。
且つそれを盛り込んだ、素晴らしい創作物を、彼がクリエイトし得た事で、です。

実際主人公(エイミー・アダムス演じるスーザン)は復讐主の子供を中絶しましたし、良い家族を持つ可能性の有った将来をポイ捨てして顔面の良い網浜に鞍替えしました。
リッチでお洒落な生活を取った訳です。

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ネットで何件か考察を読みましたが、劇中劇の主人公の男がスーザンの投影、との事でしたが男ですから僕はそれになかなか気付けませんでした。

そういった事もひっくるめて更に思うのは、スーザンだってそんなに悪くないのでは?という事です。僕はそう思います。

アーティストじゃなくてギャラリーの側でも、それも立派な職業ですし、一生懸命頑張って大学を出て、 お金を稼いで行こうとする事とか悪い事だと私は思いません。

一方夢ばかり追ってフリーターとかが長年続く男子にごめんなさいをするとか、
仕方の無い事だと思います。

しぶとく追うのも、美しくない訳ではないですが…
結果本出せたから良いようなものの、そうなるとも限りませんし。
いや私個人も頑張って欲しいとは思いますが、恋人が納得行く形で、巧い事やれなかったものかなと。

劇中劇で主人公の男(スーザンの投影)も嫁・子供を殺され結局(恐らく)死にますが、
あんな悪い人達に関わられて
そうそう賢く立ち回れませんし、
ボクシングでも出来れば別ですが
不可避だったと、被害者だと私は思います。
難しい局面だったと。

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難しいんです。
生きて行ったり、賢い選択をして行くのって
難しいんです。
他の人の事は分かりませんが、
私にとっては全てが難しい。
常々そう思ってますから、
だからスーザンを責められません。

「貴様が悪い」みたく言われても、
だってどうしたら良いか
分かんなかったんだもん。とか思っちゃいます。
どちらかと言うとスーザンが悪いみたいな論調の作品ですが、
私は彼女が可哀想とすら思います。
彼女も幸せになろうと頑張って来たと思うんですよ。

そんでもって悲しい目。
西村権太郎

西村権太郎