このレビューはネタバレを含みます
一度愛すると決めたなら簡単に手放してはいけない、というワンメッセージだけ受け取った。というかそうであったらいいなと思った、自分が結婚するということに対して漠然と感じていたことだったから。
エドワードが言った「誰かを愛したなら努力すべきだ 失うと二度と戻らない」という台詞が全てで、小説もあのラストも含めそういうメッセージの映画だったのでは、と解釈したい。
彼は、スーザンを小説内のトニーとして書いたんじゃないかと思った。トニーは、抗いがたいことではあったけど、妻と娘を手放してしまって、それにより一生後悔する出来事が起こってしまう。
けれどもスーザンはそう読まず、明らかに「夜の獣」なレイでもなく、自己を“悲劇的に奪われた者”の方に投影してしまう。自分から手放したのに。
物語に過去の回想重ねられていくにつれ、よく待ち合わせなんぞできたなあと思う、だからあのラストになったんだろうけど。
でも「その解釈は違う」ともう一度スーザンに考えさせるのは復讐にしては優しいなと思ったり。
などと観終わったあとにあれやこれやと考える時間がたのしかった。シングルマンも観たい。
あの不気味で物悲しいオープニング、わたしは好きだった。