ハミングバード

神なるオオカミのハミングバードのレビュー・感想・評価

神なるオオカミ(2015年製作の映画)
3.6
毛沢東による下方政策は都市部のインテリ青年を地方の農村等に送り込むことによる近代化という名目のもと、都市部の深刻な失業問題と反逆分子の成長を防いだ。その政策により送り込まれたのがこの主人公である知識青年である。舞台となる内モンゴルの草原は美しく狼の生態と同化する住民の生活は神々しい。この作品を撮ったフランス人監督は都市部からの上から目線の大学生が先住民族やその自然との象徴であるオオカミに魅せられるヒューマンな物語に魅せることに成功しているが同じ場所で同じ時代に毛沢東がモンゴル人を大量に虐殺した史実を曖昧にされてしまうまでには至らなかった。仏中合作である胡散臭さを除いても、オオカミとこの作品の原作を著した知識青年には罪は無いが。
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