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団地妻 白昼の不倫の010101010101010のレビュー・感想・評価

団地妻 白昼の不倫(1997年製作の映画)
3.0
ラブレス。
恋の不能さと、愛の不可能さ。

反復と切り返し。
ただ、たんたんと。
セックスも即物的で、感情的な熱さはない。
むしろ渇いている。

団地という、祝祭性から切り離されたフラットな空間、フラットな人々。(気晴らしはボーリングくらいだ)
夜の屋上のシーンの異質なまでの妖艶さ。
しかし、ほのかに抱かれていた恋心も、結局、当たり前のように不能さとともにある。

90年代後半。
こういう時代だったよなぁ、と思う。
いや、こういう空気の始まりだった、と言った方がいいかもしれない。
2020年代現在も、ますます渇いた性が平然と並ぶ。
荒涼としているぜ。
ラブレス。
いまや、ほのかな恋心はバーチャルの側にリアルなものとして向けられてさえいる。
勃起してるのにインポテンツのようなものだ。
セックスレスの嫁さんが寝てる隣で、エロ動画見ながら勃起している。
嫁さんとのセックスは退屈で、エロ動画を見ながら興奮している。

退屈だ。
つまらない。
不倫を夢見る。退屈だ。
不倫してみる。興奮する。無常だ。
繰り返される諸行は無常。
それでもよみがえる性的衝動。
残念。