桃子

眠れる森の美女の桃子のレビュー・感想・評価

眠れる森の美女(2008年製作の映画)
2.9
「イバラ不足」

たまにこういう「子供騙し映画」を見ると色々な意味で面白い。お伽噺話を映画化する場合は、見る対象を誰にするのかを意識して作るに違いないのだけれど、作り手の好みとか予算とかが映画の出来に大きく影響を及ぼす。見る方は、ただ好きなジャンルだからと言って見るのは注意が必要かも。私はお伽噺やファンタジーが大好きなので、たとえ子供騙しでも問題なし!(笑)
ドイツ製のお伽噺映画は、少し前に「美女と野獣」を見ている。ディズニー製とはえらく違うなあという印象だった。当たり前なんだけど…
ドイツに実際にある古城をロケ地にしているので、雰囲気に損傷はない。でも、予算はあんまり潤沢ではなかったのだろう。俳優さんたちはなんだか素人に毛が生えた程度の感じだし、コスチューム映画なのに肝心の衣装がイマイチだし、王女様と王子様、このふたりのメインキャラのビジュアル的な魅力があまりない。実にもったいないお伽噺映画である。
王女と王子がダ・ヴィンチが大好きという設定はほほえましくていい。人力飛行機、気球、小型カメラ、そういった道具が出てくるのも別にかまわない。映画はなんでもアリなんだから。ただ、イジワルな魔女に呪いをかけられてしまったお城はイバラで覆われるという設定は崩して欲しくなかった。お城全体をイバラで覆い隠さないと駄目でしょ~~ まるで生垣みたいなイバラじゃ説得力がなさすぎる。あ、お城全体を覆うための予算がなかったのか!だったら仕方ないかなあ(笑)
桃子

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