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ハッピーエンドの選び方のTSのレビュー・感想・評価

ハッピーエンドの選び方(2014年製作の映画)
2.5
【思っていたのと違いすぎた】
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監督:シャロン・マイモン
製作国:イスラエル
ジャンル:コメディ・ドラマ
収録時間:93分
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今年で一番のモーレツ期待はずれ作品かもしれないです。いや、良くも悪くもなくって感じなのでしたが、求めてるものが違いすぎて期待はずれの作品となってしまいました。みなさんはこのようなタイトルとパッケージを見てどういうのを想起しますか?恐らく涙なしには見られない感動物語と思われるのではないでしょうか。しかしながら、今作はなかなかコメディ色が強くて、はっきりいって裏切られたよう感覚になってしまいました。決して悪くはないと思うのですが、『最高の人生の見つけ方』のような感動物を望んで見てみると、面食らってしまいます。

エルサレムの老人ホームに入るヨヘスケルは発明好きであった。そんな中、友人から「自分の最期を選択できる装置を作ってくれ」と頼まれる。なんとかして完成させるのだが、その装置の事が世間に広まってしまい依頼が殺到するのだが。

テーマが「尊厳死」に関するものとあらかじめわかっているのであれば、参考映画となるかもしれません。尊厳死については軽い気持ちで論じれませんが、人には自己決定権というものがあり、それは、例えば自分の生き方や死に方は自分が決めるべきだというものです。

死ぬのがわかっていて、苦しんで死ぬのならば出来る限り安らかに死にたい。これは誰もが思うことでしょう。ゆえに尊厳死は正義という方もいるので、非常に難しい問題であります。今作のこの装置そのものが尊厳死を助長するものであり、国によってはそれを発明したヨヘスケルは自殺幇助で捕まってしまうでしょう。それ程重いテーマを扱ってしまいます。

だから、全体の作風をコメディにしたのかな?と思う節もあります。全体が重かったら見てる方も苦しいですからね。なので、今作は個々が求めていた物が何なのかというところで評価がわかれそうです。余生を楽しむ、最期の人生を謳歌する。そういう「人生とは」という壮大な問いを投げかける映画か?と思ってみてしまうと、腑に落ちないかと思われます。そもそもこんな装置を、ある老人が作ってしまうこと自体もおかしい。したがって最初からファンタジーな映画でもあります。重いテーマにファンタジー、コメディを付け加えた映画なんだということを頭に入れておかないと、少々厳しいかもしれません。

同意出来なかった点は、車の違反で二回も捕まるシーンです。老人だからって、泣けば見逃されるというものではない。しかもそれが演技だというのだから、老人たちのずる賢さを感じました。取り締まりをした警官は非常に同情深い人でしたので、まんまと乗せられていましたが、あのシーンは特に腑に落ちませんでしたかね。

ただ、老男女の裸が見れるのは貴重というか、、レアです(笑)さすがに下は見えないですが、堂々と写したなあ。と少し感心しました(笑)

ともあれ、なんとなく借りて見る分には大丈夫でしょう。僕からすると公開当時から気になっていた映画でして、日程の都合上映画館にいけず、レンタル待ちしていた者でしたので非常に残念でした。でも再三申し上げますが、決して悪い作品ではないかと思います。
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