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僕たちはバンドゥビのkissenger800のレビュー・感想・評価

僕たちはバンドゥビ(2009年製作の映画)
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マ・ドンソクを7本続けざまに見て食傷したタイミングでオム・テグを13本(+ドラマ16話)制覇、さすがにこれでは韓国映画“が”大好きなひとみたいでは。と自主規制を考えていたのに、たまたま目に入ってきた『ワンドゥギ』(2011)が面白かったせいで今度は「韓国映画における外国人の描写について」小特集が始まった私です。

韓国映画に見る移民労働者と外国人花嫁の表現
という論文をペンシルバニア州立大学助教の先生が5年前に書いていて、その参照資料として掲載されていた映画"Where is Ronnie..."(2009)、これがバングラデシュ人と韓国人の友情を描いた作品らしく、しかし視聴できそうにないなー。
と探していたら、類似作のこれに辿り着きました。公式がVimeoにアップしている英語字幕版、24時間レンタル121円。

韓国がバングラデシュからの就労受け入れを始め、韓国通貨危機で国内経済状況も悪化中。という時期の制作だけに、韓国人がバングラデシュ人を見る目つきは冷たく、こういう言い方をするのもナンですが、技能実習生に「さっさと国へ帰れ」って言う今の日本人とそっくりなんですよ。
店で買い物した釣銭は手渡されず品物の上に置かれる、バスや電車ではもちろんじろじろ見られる、素性を尋ねたヒロインの母親は「ロシアから来てたら、黒人だったら、同じ質問してるの?」って娘にキレられるなど、言ってみればステレオタイプではあるのですが、人がなるべく見ないようにしている細部がデリケートに拾われていくので、注目せざるをえない。
インディー映画らしいインディー映画なので、そういうつもりで見る必要はありますが、最初から最後まで自分に正直な(=口が悪い)ヒロインのおかげで、ドライなユーモアと感傷の混交具合も個人的には好感。
あと、むかし懐かしCrying Nut「ルクセンブルク」をカラオケで歌うクライマックスのブルーハーツ感よ。
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