イチロヲ

箱の中の女2のイチロヲのレビュー・感想・評価

箱の中の女2(1988年製作の映画)
4.0
スキー場でペンションを経営している青年(中西良太)が、美しい人妻(長坂しほり)を箱の中に閉じ込めてしまう。宿の経営者がヤバい人でした系のスリラーを踏襲している、日活ロマンポルノ。ロマンXシリーズの最終作。

主人公の青年は、前妻が他の男と一緒に逃げてしまったため、そのカウンターとして「貞淑を演じる人妻」に対して、個人的な怨恨を抱えている人物。「女を壊してやりたいけれど、壊せない」という拗れ具合が見どころになっている。

ナンバリング1作目の作風とは異なり、従来の劇映画へと回帰した本作。長坂しほりの体当たり演技は言わずもがな。取って付けたようなブラコン娘(河村みゆき)の登場と、バブル期のお祭りムードに対するアンチテーゼが愉快痛快。

「私をスキーに連れてって」の舞台となった万座温泉スキー場で正反対のドラマを展開しており、ラストの台詞に「ロマンポルノは最期までロマンポルノを貫き通す!」というメッセージ性を汲み取ることができる。
イチロヲ

イチロヲ