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ベートーヴェン通りの死んだ鳩の3104のレビュー・感想・評価

3.8
もともとはドイツの長寿TVドラマの一篇として制作されたものだが、一個の独立した話として楽しめる(らしい)。今回は従来のものより25分ほど長い「ディレクターズカット」として公開。

ドイツにあるベートーヴェン通りでアメリカ人私立探偵が殺された。彼と共に政治家への恐喝事件を追っていた相棒の探偵サンディは、事件を追ううちクリスタという女性と出会う。彼女は実は国際的な恐喝組織の一員で・・。

と一応の筋立てやその後の展開のあれこれもあるが、ストーリーの細かい整合性や“つなぎ”の雑な具合が目につく。しかしそれこそがこの映画の魅力でもある。勢い優先で細けぇことはそのつど放置、省略、カッツアイ・・そもそもサミュエル・フラーにそこを期待するものでもなかろう。ハードボイルドを気取るが全体的に「とぼけ」が漂ってしまうあたりもいい。

逃走の描写や武器を投げ合う決闘シーンなどでの、いかにもB級映画(テレビだけど)らしい荒さと粗さが楽しい。CANの「VitaminC」もその空気を後押ししている。
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