ドナウ

シャブ極道のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

シャブ極道(1996年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

暗黒迷画座から。

シャブの暴力性と多幸感と依存性とその行く末を一人の男の人生を通して見事に描いた作品。3時間近くの長さを微塵も感じることなく尋常じゃないテンションで終盤まで駆け抜ける。健康志向のシャブ中という変な性格の男は酒の代わりにオレンジジュース、スイカの塩の代わりにシャブ、しゃぶしゃぶ(ポン酢)にシャブというとんでもない男。組の神棚にはメタンフェタミン開発者の肖像を飾り、人類を幸福にするために日夜シャブを売り捌く。通夜やあの手この手で組員に仇討ちさせようと奔走する様は特におかしい、やっぱり例の壁を破る演出は大好き。ラストは印象的で余韻に浸るいい終わり方のようだけれどシャブと人生、シャブの切れた真壁は永遠にシャブを打ち続けながら走り続けるしかない…そんな事を考えたラストだった。

時代を感じさせるシンセとパーンというドラムのゲートリバーブや「乾いた花」オマージュのような賭場、墓地での洗髪の場面なども良かった。
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