イチロヲ

高校教師・成熟のイチロヲのレビュー・感想・評価

高校教師・成熟(1985年製作の映画)
3.5
男子校で教鞭をとっている女教師(赤坂麗)が、生徒たちの本能的な性行動と自身のいびつな性生活を重ね合わせながら、セックスの本質を悟っていく。「肉体と精神が分離した状態」における、男女の性愛行為を語っている、日活ロマンポルノ。

本作の主人公は「心的つながりを排除した、肉体的つながり」を追求する人物として登場。結婚を求めない女(=セックスだけの都合の良い女)を演じることに歓びを覚える反面、その生き方に不安を募らせる。

婚約中のカップル(久我冴子&北見敏之)と旧友夫婦(渡辺良子&中田譲治)の合間を、主人公が肉欲だけで渡り歩いていく。「男と女が一緒にいれば、こうなるのが当然よねぇー」という、俯瞰で眺める立場に変身するところが面白い。

男女の「ヤリたい心理」に世代間ギャップは存在しない、という鮮やかな着地。主人公がサラリと言い放つ、「性格が変わらないオチンチンがいいなぁ」が真理。
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