ともちん

20センチュリー・ウーマンのともちんのネタバレレビュー・内容・結末

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

マイク・ミルズ監督作品である「20センチュリーウーマン」
キャストの中には監督としても活躍しているグレタ・ガーウィグを迎えた豪華なキャスト陣

今作のテーマはシングルマザーであるアネット・ベニング演じるドロシアが一人息子のルーカス・ジェイド・ズマン演じるジェイミーとの心の交流を描いたものである。

        撮影
今回においてはさすがハリウッドというべきか、安定した撮影。撮影でよく見せるというよりはドラマを淡々と撮っていくような感じ。
ただし安定が故のドラマに入り込めるようなカットがなかった。
これは僕が通っている映画の学校の撮影の先生が言っていたことだが、映画において撮影とは上手い!いい!と思わせるのではなく、お客に下手や上手いと感じさせるのではなく自然に見えるものが本当の映画の撮影であると言っていた。そういう意味では間違いない撮影なのかもしれない。

        演出
個人的に淡々と進んでいくストーリーは割と好きな方、むしろ大好物ではあるのだがこの作品はいまいちはまらなかった。

しかし素晴らしいと思う点ももちろんあり、
それは血の繋がる親子という一番関係が深い関係性で時代の錯誤を表現したことだ。
言われてみれば親子というものは完全に生きている時代が違うもの同士が血は繋がっているとはいえ同じ屋根の下で生活しているということは不思議である。

また人物同士の支え合いというものが織りなすドラマがいいと再確認できた作品でもあったがいまいち全体としてピンと来なかった。

ピンと来なかった理由としてはいくつか挙げられるが
一つ目に、我々は日本人であり、海外の生活、文化、食事、感情、性格だいぶ違うのである。そのため別国の認識と我々の認識には必ずしもズレが生じてしまう。
地盤の無いところに家が立たないのと一緒で良いものであっても響きづらいのである。
これを言ってしまうとキリが無いように思えるがしょうがなく付きまとう者であると私は割り切っている。

二つ目に、こういうタイプの映画はジャンル化されるが、またその中でジャンル化できるのでは無いのかということ。
こういう淡々とした淡白なストーリー展開の映画は多くあって、ジャンル化されるが、またその中でもその淡々としたものが全て受けいられるかはわからない。
言ってしまえばフックがない映画なのである。そう言う土俵で勝負するのであれば好き嫌いが分かれるのは当たり前であると思う。
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