NM

レディ・バードのNMのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.4
誰しも通った学生生活での思い出を呼び起こすような作品。多感で毎日悩ましいことばかりだが、進路選択の時期も迫る。
恋、友情、自我、家族、と一つ一つ焦点が当てられていてとても観やすい作り。

個人的には、特に家族関係が印象的だった。
父も母も優しいし娘を愛している。娘も。
だが人間関係は何気ない行動の連続で作られていく。
一つでも大きく間違った行動を選択したり我慢が限界に達したりしたら、いつ一生の別れになってもおかしくない。
重すぎない雰囲気で描かれて入るが、ヒロインがそうなってしまわないか、スリルがあった。

レディ・バードとは自分で自分に付けた厨ニ的なあだ名。由来や意味などは特に説明されない。ただ何かしらの象徴として、観客の理解を助けてくれる。

思春期真っ盛りの子どもたちの学校生活。
進路に悩んだり、恋をしてみたり、親子関係に悩んだり。
劇的な大事件は怒らないもののずっと心がひりひりする作品。大人になれば些細なことでも、思春期の子にとっては幸福の絶頂だったり人生の終わりのような大問題に感じられる。

特にヒロインの通う高校はやや堅苦しい学風で、生徒たちは鬱憤を溜めている。
町自体もそんな雰囲気。
ヒロインはこの町を出て都会に進学したいが家庭はあまり裕福でない。
相変わらず恋も友情も、そして本来は仲良しのはずの家庭でもトラブル続き。

彼女の進路はどうなるのか。家族は、友情は。
NM

NM