ボブおじさん

レディ・バードのボブおじさんのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.9
「マリッジ・ストーリー」のノア・バームバック監督の公私に渡るパートナーで、同監督の「フランシス・ハ」では主演と共同脚本も手掛けたグレタ・ガーウィグ。人気女優としても活躍する彼女が、本作では「ブルックリン」の若手実力派女優シアーシャ・ローナンを主演女優に迎え、念願のソロ監督デビュー。

後に大ヒット作品「ストーリー・オブ・マイライフ」でもコンビを組むローナン扮する17歳の多感な女子高生が経験する、痛々しくも愛すべき青春の日々を繊細なタッチで描いた青春映画の佳作。

2002年、カリフォルニア州サクラメント。高校生活最後の年を迎えた17歳の個性的な女子高生、自称〈レディ・バード〉の姿を〝家族〟と〝学校〟という2つの世界から描いている。

家族の中でも特に母親との関係性の描き方が抜群に上手い。NYの大学への進学を希望する少し浮かれて自分本位の娘に対して、地元の大学に行かせたいと願う地に足のついた苦労人の母親。一見真逆の様で、実は似た物同士の2人は、心の中ではお互いを思いやりながらも口論が絶えない。

学校では進路についての悩み、親友との揺れ動く友情、恋人との恋愛と別れ、そして新たな出会いなどがテンポ良く描かれるのだが、今となってはその顔ぶれの豪華なこと。

この当時はまだ皆駆け出しだったが、主演のローナンを筆頭にティモシー・シャラメ、ルーカス・ヘッジズ、ビーニー・フェルドスタインと後の青春映画のスターたちが総出演。

大きな事件や感動は無いが、小さな日常の描写がリアルで微笑ましくも切ない。そして最後はなんだかいい気持ちにさせてくれる。これが監督デビュー作とは恐れ入る。

公開時に劇場(飯田橋ギンレイホール)で鑑賞した映画を動画配信にて再視聴。


〈余談ですが〉
この当時の青春映画(子役も含む)をかなり観ているのだが、結構な確率でルーカス・ヘッジズが〝あの困った様な顔〟で出演している😊

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
「mid90s ミッドナインティーズ」
「WAVES/ウェイブス」
「ハニーボーイ」
「ベン・イズ・バック」
「ある少年の告白」
「スリー・ビルボード」
そして本作。

いずれも2016〜2019年の作品だ。
これって何気に凄くない?😁