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レディ・バードのKHのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.5
こんなに痛々しい作品に出会ったのは初めて。
レディバードを“自称”する主人公と母親の噛み合わない会話、保守的な地方と経済格差、カソリック系の学校、人種の違いなど色んな要素が散りばめられていて、アメリカどこにでもある「中途半端な田舎」のリアルがあった。
主人公の痛々しさを共感性を愛おしいさを、どんな言葉で形容したとしても遠ざかっていく気がする。
だからこそ映像メディアである映画の魅力が詰まった作品。
印象に残った言葉は「戦争以外の悲劇もある」。難しい顔をしながら本を読むカイルに放った言葉。レディバードよりずっと裕福でインテリで、この社会に憤りを感じているカイルへのこの言葉は風刺的だけど、これはレディバードにとってもブーメランになる。
ジェナに「なぜ嘘をついたのか分からない」と言われた主人公の痛々しさ。
やっぱり1番は、噛み合わない母との会話。さっきまで気があってたのに次の瞬間地雷を踏んで喧嘩が始まる。
最後はあんなに嫌だったカソリック教会に日曜日に行く。
まだ整理できてなくて、とりあえず羅列しただけだけど、すごい良かった。
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