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レディ・バードのnobiのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
グレタ・カーヴィグはいつも、わたしの、そしてわたしたちの味方だなー!
成功とかお金とか些細なことのはずだった。いや作中の通り、ぜんぜん些細なことではないんだけど、生活や人生を変えてしまうんだけど、べつに幸せとは結びつかないんだった。
17歳とか20歳とか学生の時のほうがそう思えていたかもしれない。社会人になって、親と離れて暮らして、互いに歳を重ねて、自分のためだけに戦い続ける日常が続いて、手からこぼれ落ちていた。金や命が脅かされなくなって、むしろ平穏で、家族を疎んだり、恥じたりする気持ちがレンガの隙間の雑草みたいに育っていたんだと思う。家族や地元の街のすべてがたしかに私をつくりあげているけれど、だからって私じゃないはずだ。
もう、きっとずっと心には17歳くらいのわたしが居続けるんだろう。いつになってもうまくやれない、思春期のまま。でもそのおかげで、ひとりの時にふと素直に世界を美しいと思ったり、心からサイコーと思える友達とゲラゲラ笑い合ったりできるんだろう。
そして、はいはい、カイル、好きですよ、カイルみたいな男が!!!
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