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ヤマトよ永遠にのsithmaroのレビュー・感想・評価

ヤマトよ永遠に(1980年製作の映画)
3.3
前作からの敵である暗黒星団帝国が引き続き登場したり、さらに地球が制圧されてしまうという展開が旧作ヤマトシリーズの中ではかなり異端と言える。
「地球を離れたヤマト」とかつ地球に残された雪という二つの主軸で展開するのもまた、他作品には見られない展開。
長期に渡るシリーズ化の中でマンネリ化を避けるための試行錯誤を重ねた結果なのだろうか?
ヤマトも戦力アップが図られていたり、ビジュアル的にも艦首や側面の錨マークや砲身に参戦章が加えられたりと「今までとは違う」点を強調しているようにも思える。

違うという点では今作のヒロイン、真田澪に関しても言える。
実は旧作の女性キャラでは一番好きなのだが、当時は「松本零士らしくないな」とは思っていた。
まさか、本当に松本零士キャラではなかったとは。
松本零士の女性キャラの美しさはもちろん素晴らしいのたが、彼女のように「美女」ではなく純粋に「美少女」として描かれたキャラは新鮮だった。
まぁ一部のファンには、それすらも受け入れられないようだが。

一方でストーリーに関しては、つまらなくはないが、かと言って絶賛する程のものでもないというところか。
デスラーが出てこないせいか、なんだか消化不良な印象も受ける。
意欲的な作品ではあるのだが、やや空回りしてしまった印象も拭えない。

色々と惜しかったと思える作品。
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