ガブXスカイウォーカー

ヤマトよ永遠にのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ヤマトよ永遠に(1980年製作の映画)
4.0
地球が暗黒星団帝国に占領され、主人公、古代進とヒロイン、森雪が離れ離れになる異色ストーリー。しかも古代には姪のサーシャ、雪には暗黒星団帝国のアルフォン少尉が言い寄ってきたりしてひじょうにドラマチックじゃないか。
作画も秀逸で、とくにコスモタイガー隊が中間基地を叩くシーンは金田伊功の超絶作画で見応え充分。
宮川泰による音楽も相変わらずの充実ぶり。ラストに流れる「愛よその日まで(作詞:阿久悠、編曲:宮川泰、作曲・歌:布施明)は名曲である。

でも不満も多かった。
重核子爆弾の起爆コントロールが敵母星であると判断し、40万光年先の暗黒星雲へと旅立つと言う展開はムリありすぎ。また前作で赤ん坊だったサーシャがわずか数年で17歳になるのはいくらなんでもふざけ過ぎている、山南艦長は出る必然性がないなどなど、挙げればきりがない。
もっと設定を整理して、脚本を練ればいいのに。もはや『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のような傑作は無理なのか? TVの『機動戦士ガンダム』の方がずっとリアルで面白いじゃん。当時はヤマトファンの僕でさえガッカリした。

しかし、現在ではそのムチャクチャさがむしろ魅力に感じる。突っ込みをガンガン入れながら観賞するには最高の一本だ。だから4.0点。
最大の突っ込みポイントは、クライマックスでヤマトが波動砲で敵母星を破壊した際、その巻き添えで二重銀河まで崩壊させてしまうことだろう。いったいどれだけの無関係の生命が消滅したことか? ガミラスや暗黒星団帝国でもそこまでやらないぞ。