yz

あとのまつりのyzのレビュー・感想・評価

あとのまつり(2009年製作の映画)
4.5
(なんかvimeoで観れちゃう。多分、期間限定無料配信だったのがそのままになってる)
大好き。
とにかくショットが冴えまくっている。瀬田監督は女性主人公の魅力を恐ろしいほどに拡張して描くことに物凄く長けている。
走る、踊るという運動をあまりにも活き活きと映し出すのが本当に素晴らしい。魅力的だ。「とりあえず小躍り」のシーンで無性に目頭が熱くなる。そしてポエジーも満ちていて音としても気持ちが良い。記憶というテーマも相まって運動とポエジーが作り出すドラマに感情を揺さぶられる。「ねえ、まだ工事してる。あの辺昔海だったんだよ」という台詞の重たさ。東京が繰り返す再開発。そこにある記憶。

「映像に撮られるということは未来における無限の他者の眼差しを向けられるということである」という言葉を想起する。カメラで撮るとはどういうことなのかを徹頭徹尾意識している監督なのだろうなと思う。
瀬田監督の作家性が強く出ていてこれまで観てきた作品だと一番好きだった。
はじめまして。
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