てつこてつ

ウエイト 呪われし存在の重さのてつこてつのレビュー・感想・評価

4.0
冒頭からエンディングまで、この独特な世界観にすっかり引き込まれた!

キム・ギドク監督のテイストをもう少しアートに昇華したスタイル。

冒頭のフルマスクのヘルメットを被った男が屍姦する描写から、グロテスク(ホラージャンルで言うところのグロではない!)、かつ、エロティック(ポルノで言うところのエロではない!)でありながらも眼が離せない描写の連続で驚かされっぱなし。こういう作品を堂々と製作する韓国映画の懐の広さはやはり凄い。

言葉数が少ない遺体安置所職員の兄の表情や仕草で語る演技、義弟で性同一性障害に苦しむ性転換手術を切に願う二人の俳優さんが素晴らしい。後者を演じたパク・チア・・全裸シーンが登場するんだけど、顔は男顔で喉仏も確認できるんだけど、あのリアルな乳房は特殊メイク?それとも、本当にニューハーフの女優さん??声は完全に女性のものだし、これが最後まで分からなかった。

遺体安置所のセットは陰鬱でどこまでも寒々しくも、何故だかとっても美しい。主人公の妄想シーンも芸術の域にまで達していると思う。ちょっと「オアシス」っぽいかな。

こういう自分の感性を揺さぶってくれる作品に出会えた事に感謝!
てつこてつ

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