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オンネリとアンネリのふゆのくりふのレビュー・感想・評価

オンネリとアンネリのふゆ(2015年製作の映画)
3.5
【ドールハウスは動物園】

アマプラ見放題にて。前作が面白かったので、続けて三作目まで見てみた。

この二作目、お話しは前よりまとまってきて見易い。ファンタジーとしては三作中いちばんスナオかと。実質の主役はコビトさんだしね。

実際、コビトさん一家がオンネリらの家にやってきて、借りぐらしする様子は可愛らしく愉しい。映像もより、鮮やかになっている。…んだけど。

今回は、サイズ的マイノリティを出して偏見差別はダメ。ゼッタイ。と言いたいのでしょうが、やっぱり倫理より本能…少女向けドラッグムービーへと流されます。

一番気になったのが、主人公がコビト一家の生活を、何の遠慮もなくガン見し続けること。動物園の動物のように。見られる側からすれば、巨人からの見下ろし監視でしょ、コレ。

7歳少女がその傲慢さに気付けないのはわかるけど、物語としてスルーするのはどうよ?コレ、子供に教えてあげるトコじゃないの?まさに偏見の体現じゃんか。

一方、今回も大人が悪さをして、マイノリティへのモノ扱いから事件に…となるけれど、悪事の動機が前回と同じく、経済苦なのが可笑しくて。ナゼ貧困だけはリアルにしたがる?

でもさ、大金拾って贅沢ぐらししている7歳少女たちのこと、この物語は忘れてないかい?w “働かざるもの、おおいに食え!”と言ってんだけど?www

犯人も、あまりに愚か過ぎるよね。ダメ。ゼッタイ。と言われただけで、我に返ったように改心しちゃう。壺とか印鑑、爆買いしそうな人だよなー。大丈夫かこの街?

…と、今回も引っかかり幾つもあれどコレ、少女を只々キモチよくさせるドラッグムービーだからね!“カワイイから許す”を法と心得よ!なのだから、許さないとダメ。ゼッタイ。

最後の“等倍視点”でチャラってことかな。逆転させてほしかったけどね、学ぶなら。

主演二人は今回も、存在自体がオンネリアンネリでした。本人たちは自覚ないだろうけど、板についてきましたね。

寒くなった分、映像は透明感マシマシとなり美しかった。パープル系がメチャ効いている。

そして先に書きますが、私には次の三作目が、段違いによかったです!

<2023.11.18記>
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