後味があまりに悪すぎて、観た後1日ブルーな気持ちにさせられた映画。
最新作『逆転のトライアングル』や『フレンチアルプスで起きたこと』を撮ったリューベン・オストルンド監督の作品。
これはスウェーデンで実際起きた少年犯罪からインスパイアされたとのこと。
物語の中心は白人少年二人とアジア人少年一人からなる友人3人組。
そこへ彼らをターゲットとして目をつけた黒人の5人組が近づいてゆく。
3人は彼らから言葉巧みに誘導され、長い長い軟禁を強いられることになる。
出会ったショッピングモールから始まり、最終的には誰もいない森の奥へ…。
125分の長尺なのにいつ暴発するかと…最後まで緊張がとぎれることない。
少年たちは助けを求めようとするんだけど、まるで大人たちは透明人間みたいに通り過ぎてゆく。
カメラも終始第三者が傍から見ている視点で映し続けるので、鑑賞しているこちらも通り過ぎてゆく大人と同じ…傍観者としての恐ろしさを感じる。
後からあの加害者たちは移民だから!なんて庇おうとする人も出てくるが…被害者の子供の事考えると、それってどうなの?よく事情も知らんと。
背景にスウェーデンの難民受け入れによる犯罪率上昇をさりげなく匂わせ…
罪を問うと横から移民排斥というデリケートな問題も絡んできたりするんだ。難しい。。
このあと『フレンチアルプス…』を観たんだけど、あちらはセリフで状況がわかるような劇映画になっているのに対し、こちらはもっと突き放した目線、状況を読んで察するような映画に思える。