ヒノモト

プレイのヒノモトのレビュー・感想・評価

プレイ(2011年製作の映画)
4.1
最新作『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド監督の2011年の作品をJAIHOにて初鑑賞しました。

黒人の少年グループの窃盗行為と狙われた白人とアジア人少年3人組の顛末を描く作品。

大変面白かったです。
同監督の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』にあるアートに関心のある人とない人の線引きのような感覚が、今作では少年たちだけのルールや世界観や危機感に対して、外側から見た視点として、他者や大人たちがどこまで無関心でいて、どこから介入するのかというボーダーラインの揺れを描いていて、その奥にアフリカ系移民の問題もあって、そこへの関心無関心さもあって、そういう多角的な目線を主に定点カメラのような配置で、他者を演出しているのが、大変良かったです。

移民を受け入れている以上、尊重すべき存在でありながら、できれば関わりたくはないような立ち位置、単なる遊びのように見える中にある犯罪に、どこまで大人が介入していくかの描き分けがされていて、立場によってそれが正しいとも正しくないと言えないモヤモヤを残している演出があって、これがすべてシナリオ通りの演出だとしてら、かなり計算された物語だと感じました。

後味が悪いところもありますが、ラストシーンに少し救いがあって、安心しました。
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