ロクシ

レストレポ前哨基地 PART.2のロクシのレビュー・感想・評価

3.0
パート1よりおもしろかった。
最後いい話風になってて、これでいいのか!?と思ってしまった。

彼らの誰も、戦争の目的について話さない。
彼らにとって政治なんておそらくどうでもいいことで、高収入のために軍に入った人もいれば、銃器に憧れたり、親や親戚が軍人だったからっていう単純な目的の若者がほとんどのような気がする。
大尉が「ふとなんの為にここにいるんだ?と考えてしまう」と言っていた。
まさにその通りなんだけど、それを考えてても仕方がないんだろうなー。

1番驚いたのが、戦闘中の彼らはサバゲやFPSで遊んでる人たちとノリが変わらないこと。
「くらえー!」って叫びながらマシンガンを撃ち、当たれば「ヒャッハー!f*ckyou !!」「あいつ粉々に吹き飛んだぜ!」と歓喜する。
戦闘中のスリルによるアドレナリンと、人を撃つ感覚は一度味わうと病みつきになると語る。
インタビューでなだれ岩作戦(こちら側から敵の陣地に攻めて死傷者が出た作戦)のことについて話す時は死にそうな目をしてるのに、好きな武器について話す時はみんな目がキラキラしてて笑顔。
死ななかったら戦闘って楽しいんだろうな…やっぱり。
男の子って戦いごっこ大好きだもんね。
人間の本能なのかもしれない。

死線をくぐり抜けて狭い基地で2年過ごした仲間は、親や妻以上に絆が深いそう。
「こいつらのためなら喜んで死ねる」
「今後どんな経験があったとしてもこんな絆は得られない」と断言してたのが印象的。
仲間同士ってストレスで喧嘩するのかと思ってたけど、喧嘩のシーンが一度もなかった気がする。
親や恋人とは喧嘩するけど、仲間とは心から信頼しあってる。だからこそ仲間が死んだら相当な精神ダメージなんだろうな。それって一体どんな関係なんだろう。
子供がいる人は少なそうだったけど、我が子くらいの深い愛なのかも?

レストレポから離れる時は、二度と戻りたくないおさらばだぜ!って言っていたのに、帰国した?あとのインタビューではすでに懐かしんでたのが印象的。
ハート・ロッカーで主人公が戦地に戻っていたけど、仲間と死線をくぐり抜けて乗り越えて生き残った体験をしてしまうと、無機質で繰り返しの日常は虚しく感じてしまうんだろうなというのがよくわかった。普通のサラリーマンと共感しあえなさそう。

戦場って戦う以外は暇でやることないんだな。
戦場で仲間が死ぬ以外に辛いのって暇疲れなんじゃないかな。
ロクシ

ロクシ