CANACO

ラブ・アゲインのCANACOのレビュー・感想・評価

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)
3.6
映画好きな人ほど、さまざまな切り口から本作を語れそうな良作。ジャンルはラブコメディ。『フォックスキャッチャー』でスティーヴ・カレルを知ったので、コメディ演技が本流と知らなくて驚き(今更)。

15歳のとき好きになった女性と結婚して40代になった中年男性のキャル。平穏だと思っていたのに、ある日突然、ジュリアン・ムーア演じるヨメのエミリーから離婚を切り出される。会社の同僚と寝たという丁寧な報告つき。

青天の霹靂の離婚話と浮気されたショックで思考停止して承諾するキャル。息子と娘はヨリを戻すことを願っているが、それを願っていない人がひとり。2人の子守りをしている女子高生ジェシカは、キャルに片想いしている。しかしそのジェシカは、子守りしている男子ロビー(13才)が自分にゾッコンなのを、まだ知らないのであった……。
一方、夜な夜なバーで管を巻いていたキャルは、ライアン・ゴズリング演じるイケてるナンパおじさん・ジェイコブと出会う。男らしさを取り戻してやるとサポートを申し出るジェイコブ。弟子入りするキャル。そこから始まる、おじさんとおばさんとキッズの恋のわちゃわちゃ物語。

ダン・フォーゲルマン脚本とグレン・フィカーラ×ジョン・クレアの演出がマッチした、男女◯人◯物語的な、愛と笑いいっぱいの作品。子役もいい。しかもサプライズ展開もある。『ダーティ・ダンシング』(1987)を先に見ておけばもっと楽しめたと思う。
『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの違う物語が見られる作品でもある。

ツボが合い、かなり笑った。ジム・キャリーよりスティーヴ・カレルの芸風のほうが好きかもしれない。ニューバランスとGAPの扱いが酷いこと、マジックテープ財布のいじりが激しいのもツボ。

個人的には浮気相手役のケビン・ベーコンもツボで、『インビジブル』『スリーパーズ』とゲスな役のインパクトが強いせいか、今回はかなりマシだなと思ってしまう。しかし見てるうちに脇役にもほどがあるなと気づき、逆に面白くなってきてしまった。これならこの役も受けなくてよかったよ、ベーコンさん(でも断らないのがいい)。

あと15分延ばしてケビン・ベーコンをもっと面白くしてほしかった。ベーコンさんはもっとできた。『インビジブル』もやってくれたんだから。それだけ。楽しい映画です。

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□メモ
『フィリップ、きみを愛してる!』『フォーカス』のグレン・フィカーラとジョン・クレアのコンビが監督。『ラ・ラ・ランド』 より6年前の2017年公開作品。
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