正月から凄い映画を観てしまった
小林監督の地元で喧嘩の名産地でもあるらしい富士宮が舞台。出演者全員が素人で本物の不良という攻めまくってる映画。ゲリラ撮影であろう各所での暴走行為が画面のブレもあって臨場感がある
演者達の棒読みや音声の聞き取り辛さもこの映画ではマイナスどころかプラスです。怖い先輩達の恫喝が妙に堂に入っていてノイズがかき消されます。格下格上の違いがこの雑な音声によって巧みに昇華されてます。狙ってないでしょうがｗ
理不尽な暴力で下っ端ヤンキーが可哀想な映画かなと観てたら、世渡り上手な奴や裏目に出るヤンキーとか割と社会的な面も描いてて笑った。右翼の方々がマジで怖いんだけど、不良の先輩達が上手く立ち回るのがめっちゃリアルで納得感しかなかったわ。あと比較的地味なスケールも不良が燻る閉塞感のある町って印象が強くなってこちらもプラス効果だった
地元の実録不良エピソードを脚本にしているらしいが、ドキュメンタリー調と言っていいのか絶妙な塩梅で、抜群のリアリティなんだけどメタっぽくもある。バイオレンスな反面、あきらかに笑わせにきてるテロップや斬新な拷問方法なんかはかなり娯楽寄り。そう、エンターテイメントなのです
「狂い咲きサンダーロード」から「アウトレイジ」まで踏襲したとても面白い娯楽映画になってるので好きな人には勧めたいですねー
