とむ

孤高の遠吠のとむのレビュー・感想・評価

孤高の遠吠(2015年製作の映画)
2.8
導入開始0分で「あ、これハンディカム映画だ…」と多少辟易としながらの鑑賞開始したものの、中盤からの追い上げが半端ない。

音楽の使い方がガチャガチャしてたり、
カット割りがガチャガチャしてたり、
かと思えば道路逆走をおそらく無許可でやってたり、刺青をガチで入れてたり、
監督自身狙ってんのか偶然かのか何か色々疑念を感じつつの鑑賞だったけど、
クリームシチューに血反吐吐くシーンで「あ、この監督ちゃんと演出できる人なんだ」と確信。

この映画スゲーのは不良側とイジメられる側の両視点からちゃんと描いてるコト。
俺あの立場だったら「あの、何買ってくればいいんでしたっけ…?」とか絶対言っちゃうもん。

殴られた後、ちゃんとゲロ吐くのも偉いよね。
血をペって地面に吐いてカッコつけるんじゃなくて、ちゃんと暴力の怖さ・汚さ・みっともなさも描いてる。
撮る意味を持った映画だと思いました。


ただ、なんだかって言う二人組が発起するまではよかったんだけど、
それ以降がグダグダグダグダしてしまった印象。
始まりは初めて原付に乗って興奮するあの四人のようにフラフラした展開で、
エンジンが温まってからはブーストかまして一気に突き抜けて、
最後の最後でエンストして失速してしまったような印象でした。


そんなこと考えてたらこの感想の前半でカット割りがどーのだの音楽の使い方がどーのだの書いてるのが恥ずかしくなった。
でも自戒の意味も込めて載せちゃう。

そんな感想を持ちつつ、
大学の教授のある言葉を思い出した。
「好きなもん撮ったらえーねん」
その通りっすセンセー!
とむ

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