監督さん自身が犬猫に何かできないかと思い映画を撮る過程を映すドキュメンタリー。約4年間、200時間もまわしていたそうで、監督さんの熱を感じる作品。
"撮るということはちゃんと見るということ"
映画の役割って何だろうかと時々思うけど、多くの人が目を背けている現実と最も向き合えるメディアなのかも。
広島の殺処分されそうな子を全部引き取っているNPO団体。震災地域にも足を運んで引き取っていたそう。
本当にこんな数の世話ができるのかと疑うほどの犬猫がそこにはいた。そして、現場にいる人ほど罪悪感を感じてしまうというねじれた現実が見える。被災地の牛さんを救えない状況には涙が出た。
"彼らは以前いた場所で感情を捨てている。感情をもったらいいことないもん"(引き取った犬猫たちを見て)
"不妊去勢手術は苦渋の選択。好きでやっているわけじゃない"
"ないからやめるじゃなくて、ないけどやってみよう"
目を背けずに日々向き合っている人たちにはただ頭が下がる。
同時に、一番近くで家族にも友達にも恋人にもなれる犬猫の偉大さも感じる。老人ホームでもただそこにいるだけでも笑顔がある。そのことに気づかせてくれる作品だと思う。