ジェイコブ

残酷で異常のジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

残酷で異常(2014年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

英語教師のエドガーは、移民の妻メイロンとその連れ子と完璧な家庭を築いているつもりだった。しかし、エドガーは妻を殺害してしまい、自分自身も妻によって盛られた毒で死んでしまう。エドガーが目を覚ますと、そこは刑務所のような場所で、エドガーと同じように罪を犯した者達が集められ、「グループ」を作っていた。状況を受け入れられないエドガーだったが、やがてグループを支配する謎のブラウン管テレビに映る老婆から、罪の告白を迫られる……。
エドガーが迷い込んだ世界は、自分の犯した罪を永遠に繰り返し体験させられる無限地獄だろう。罪人達は追体験→懺悔→追体験→懺悔と、ブラウン管に映る監督官の赦しが出るまでこのループをさせられる。
エドガーは自分こそが絶対的に正しいと信じて疑わず、常に自分の価値観を妻や家族に押し付けていた。ループ体験を通して、最愛の妻や連れ子の抱えていた気持ちを知り、自分の傲慢さが妻を追い詰めてしまっていたと気づく事になる。最後にエドガーが取った選択は、これまでのエドガーでは考えもしなかった「自己犠牲」の精神から来たものに他ならない。このラストを考えると、ホラーではなく、ヒューマンドラマに近いかもしれない(自分がこの世界に迷い込んだ事を想像すればホラーだが)
ただ、やはり全体的にエドガーの態度が鼻についてしまうため、エドガーにもう少し同情できるように、エドガーの過去や兄との関係性ももう少し掘り下げてほしかった。