RuiAuden

ラスト・ガン 地獄への銃弾のRuiAudenのレビュー・感想・評価

2.5
なぜだか無性にハーヴェイ・カイテルが見たくなり、あえて未見の本作をチョイスした(ボストンが舞台の犯罪映画も好きだし)のだが、本作でも少し触れられているとおり、アメリカでは衰退しているイタリアンマフィアの存在と同じく、本作自体にも(皮肉にも)活気がない。実際、ボストンは圧倒的にアイリッシュの街だ。脇を固めるカイテルやトビー・ジョーンズなど名優たちの渋さ、そしてマフィアの入会儀式であるオメルタの誓いの場面など見どころがなくもない。また主人公の相棒のチンピラを演じる役者の面構えも良い(この人は『ザ・タウン』にも出ていたので、ボストン犯罪映画の御用達なのだろう※本職はラッパーなのか)。だが、肝心の主演のあんちゃんがその甘すぎるフェイスのせいなのか、どうにもヤクザな男に見えない。ましてやイタリア系にも見えない。本作はすでに10年近くまえの映画であるが、作中の台詞にもあったように「『グッドフェローズ』の世界は終わった」のだ、現実でも、映画でも…チョイスに失敗して、結局は『ミーン・ストリート』が観たくなる始末だ。
RuiAuden

RuiAuden