けーすけ

ダウンサイズのけーすけのレビュー・感想・評価

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
3.0
ある日、人類は身体のサイズを縮小させるという技術を生み出した。細胞レベルで生物は縮小され、180cmほどの身長の人間は13cm位になる事ができるようになった。小さくなる事で食糧問題や環境問題そして人類増加問題をも解決できるかと思われ、小さくなった人間は食料などの資源消費量も減り誰もがうらやむような贅沢な生活ができるようになったのだ。
ポール・サフラネック(マット・デイモン)とその妻オードリー(クリステン・ウィグ)は、少ない財産でも夢のような暮らしをしている友人の話を聞き、ダウンサイジングに挑戦をするのであったが・・・






人間が小さくなる話、ドラえもんだったらスモールライトやガリバートンネルといったひみつ道具があり、一度は試してみたいような技術。
幼い頃にレゴブロックで作った家や、シルバニアファミリーの家なんかに入って遊びたいと思った人も多いのでは。もしくは巨大な食べ物を好きなだけ食べられるといった夢も叶いそう。

そんな夢のような縮小化をした人間を描いた物語。SFコメディとあったので、犬とか猫に襲われたり虫と格闘するといったドタバタ劇を想像してたのですが、そういった描写は全く無く、かなりヒューマンな部分に特化したストーリーになってました。



縮小化は一方通行で一度小さくなったら元のサイズには二度と戻れない。人工関節等は小さくならないので対応できず、歯の詰め物やインプラントは事前に取り除いておかないと死に直結するという。そして22万分の1ほどの確率で失敗(=死ぬ)というなかなかのハードルの高さ。


それでも資産が80倍以上で換算され、豪邸に住む事ができ働かなくてもいい生活が待っている…。さあ貴方ならどうしますか?という事で、小さくなる事を決意した主人公・ポール。ところがダウンサイズ後に思ってもいなかった出来事が起き、彼の生活が一変していくさまが描かれております。


前述通り、外敵が襲ってくるといった事は無く、小さくなった人間達だけが住む世界を中心とした物語のため期待しすぎるとかなり単調に感じてしまうかと思います。
そして小人間の住む街で起きている事も世界の縮図的な側面がある事を見せているのですが、はたしてそこにダウンサイズという要素は必要だったのだろうか?と感じるくらいのテーマだったのがいま一つ刺さらなかった部分。

食料や家畜などを生産するためにも全人類が小さくなる事は不可能なので、そのあたりで大人間と小人間のぶつかり合いなんかを期待してしまったなあ。


また、大きいままの人間などとの対比場面があまり多くないので、せっかく小さくなるって面白い設定なのに活かしきれてなかったようにも思いました。
小さい世界での電話やPC、TV、車などといった物の技術がどうやって生み出されてるのかも気になってしまったところ。

あと、小さくなった人間をケースに入れて運ぶ描写があったのですが、「これ、手が滑ったりで落っことしたらクチャっと潰れて死ぬのかな」とか考えてしまった。仮に自分が小さくなったとしてもあんな運ばれ方はされたくないな…笑



上映時間も135分と少し長めで「このシーンもっと短くできただろ」と冗長に感じたところもしばしば。
「もし自分が小さくなってこの世界に来たらどうするかな?」と妄想をしつつ、ユルっと観るのがいい映画かもしれません。


2021/09/12(日) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-075]
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