Tai

ダウンサイズのTaiのレビュー・感想・評価

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
3.3
新たな技術を利用した先にあるのは幸か不幸か…?

人口増加によって食料やエネルギー不足の問題を抱える人類が生み出したのは「人類縮小化計画」
それは絵本に出てくるような小人になることで、様々な消費量を削減でき、もともとある貯蓄によっては生涯を遊んで暮らすことができるという計画。
しかし、一度小さくなってしまうと、二度と元に戻ることはできないというデメリットも。

この予告編を観て最初に思ったことは「ウルトラQじゃないか‼︎」ということ。
「ウルトラQ」というと「ウルトラマン」の前身番組で、変身ヒーローは一切出てくることがなく、もしも宇宙人や怪獣が日常生活に現れたり、超常的な出来事が起きたら…という、どちらかというと「世にも奇妙な物語」のようなものです。
ほとんど毎週視聴率30%越えという、今じゃ考えられないSF番組。
その中で「1/8計画」という、同じく人類縮小化計画があるのです(「ダウンサイズ」の縮小比は1/14)
関係はないとわかっていながらも、時代も国も尺も全く違いながらも同じようなこの設定に非常に興味がありました。
だいぶ滑り込み鑑賞でしたが…

結果としては本当に全く別物です。
どっちの方が…とかではなく、本当に別物。
縮小することで経済的な面で恩恵を受けるという点は同じで、やはり魅力があるから志願する人間がいるわけですが、今作では人類が縮小することで起こりうる問題点というよりは、その出来事を通して価値観をゼロから考えてみるという印象でした。
「ウルトラQ」ではラストは縮小人間達の街に原寸の人間が乱入してパニックになったりとかがあるのですが、今作では縮小してからは原寸の人間はほぼ出演しません。
縮小化した先にあるものにのみ集中し、新たな生活を手にした男がどう生きていくのか、軽〜い感じの予告編とは裏腹に、意外とよく考えられ哲学的な内容でした。

設定は興味深いし、内容もなかなか厚みがあるので脳内で整理できると後からジワジワと面白さが出てくる感じですね。
…あとはヒロインを好きになれるかかな。
Tai

Tai