ベビーパウダー山崎

ユー・エス・ゴー・ホーム(原題)のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

4.0
ヤッたあとの兄と親友をぼんやりと見つめている少女のショットがえらく良い。正面ではなく、そこから映すのかと。やさぐれている米兵ヴィンセント・ギャロが現れるだけで映画に奥行き(不穏さ)が生まれる。終盤に用意されている少女とギャロが森に消えるくだりも、その距離から撮るなら間違いない素晴らしさ。
言葉の代わりに音楽を流し、身体が触れ合うダンスと抱擁でドラマ(心情)を語る。少女らはキャッキャしているけど、結局はその田舎町に閉じ込められ、取り残されている少年少女の哀愁あるラストふくめてクレール・ドニの乾いた映画。米軍基地がある町、二人の少女と青年(兄と妹はどことなく近親相姦の香り)、そして異分子ギャロ。大島渚『夏の妹』との二本立てを強く希望する。バカヤロー!!