東京の歓楽街で腕を鳴らした訳ありの風俗嬢（青山えりな）が、熱海のホテトル業界でトップ・ランカーへと上り詰めていく。風俗嬢の人生模様をコミカルに描いている、オーピー配給のピンク映画。

特殊な境遇に置かれている女性が、「Let it go!（自分のすべきことをやっていこう！）」の精神で邁進していく、ピンク映画の王道パターン。"虚構の恋人を演じて、客人に癒やしを与える"という、風俗嬢の存在意義が喜劇路線で明示される。

AVからドロップアウトして、ピンク界のミューズとなった青山えりなが、手練れの風俗嬢役を好演。屈託のない笑顔と器量の良さで客人を癒やすことができる、プロフェッショナルな風俗嬢をリアリティ満点に演じている。

降格させられた元ランカー嬢（今野由愛）、3次元の女性に恐怖するアニメオタクの従業員（吉岡睦雄）、訳あり女性の取り扱い方を熟知している店長（サーモン鮭山）など、各キャラクターが立ちまくり。とても気持ちの良い、ピンク鑑賞に浸ることができる。

ナイスキャラが続々登場して楽しい感じ。特にサーモン氏の店長役がピンクだからこその良さといった感じ。
しかしその誰もが物語の顛末に関わらず、途中からキクナル似の内省野郎が現れて全てかっさらっていくのがなんともやるせない。