熊犬

クリープの熊犬のレビュー・感想・評価

クリープ(2014年製作の映画)
3.7
【心が粟立つ…】

原題 : Creep

売れない映像作家のアーロンは一日1000ドルという破格の条件の仕事をネットで見つけて来た。怪しさはありつつも、お金に困っていた為その仕事を受けたアーロン。 依頼主はジョセフと名乗る男で、依頼内容は「癌を患って余命半年と言われた自分の元気な姿を、近々産まれてくる息子の為に映像として残して欲しい」というものだった。アーロンはその依頼を快く受け、早速撮影を開始するのだが…ジョセフの言動が何かおかしい…いや、かなりおかしい…こいつ、やばい奴なんじゃないか…?
…な映画。

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いい評判を聞きつけたので、ようやく観た。
POV…いや、ファウンドフッテージものになるのかな?まあ大差ないか。

いや〜、凄いですね!
もうずっと、なんか…嫌な感じなの。このジョセフ、登場からずーっと、ずーっと、ただただ、不快。不快さのバリエーションも多くて、イラっとさせられたり、ドン引きさせられたり、困惑するしかなかったり、気持ち悪かったり、怖かったり。とにかくこっちの感情を嫌な感じで揺さぶってくる。そしてPOVの撮影手法と合わさって、観客ながらアーロンの感じている不快感とダイレクトにシンクロ出来る。これはお見事ですね。

登場人物はほぼ二人のみ、明らかな超低予算映画ながらジョセフの気持ち悪さだけで引っ張る手腕よ…
どうも脚本家が、求人広告サイトの世界最大手の一つ"Craigslist"というサービスを使った時の体験を基に人物像を組み上げていったらしく、この嫌にリアルな感触の気持ち悪さは実体験から来ているのか…と思うとゾッとします。

最後まで続くこの不快感…苦手でなければ(というのも変ですが…)体験する価値ありです。

■本日のビール 『Creep』
醸造所: The Veil (アメリカ/ ヴァージニア)
アメリカでも屈指の人気醸造所、ザ・ヴェイル醸造所。ニューイングランドスタイルIPAに混ぜ込んだ副原料は何と…パンプキンパイ!同じCreepでも映画のように不快ではないものの、およそビールに入れるとは思えない材料で作られたちぐはぐさを、不思議と美味しく楽しめる素晴らしいビール。
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