ブルーに生まれついてのmoneのレビュー・感想・評価

イーサンホークの憑依がすごい。話し方、歌い方、表情の作り方、妥協のない役作りに終始鳥肌がたった。依存から抜け出せず破滅へと向かう一人の人間にここまで寄り添い、緻密で繊細に描ききることができるとは。

立ち登る煙草の煙、ジェーンとの海辺のシーン、バードランドでマイルスやデイジーら同業者らの鋭い眼差しにあてられる緊張感など、ワンシーンごとの密度が濃い。

ビルエヴァンス、ユージーンに引き続き、この時代のドラッグとアーティストたちの関係の根深さをまた新たに学んだ。