高橋早苗

ブルーに生まれついての高橋早苗のレビュー・感想・評価

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
4.3
こう言っては何だけど
充分おっさん(といってよいお年よね)のくせして
あの、女の子みたいな
か細いささやき声^^

…ジョアン・ジルベルトに影響を与え、ボサノヴァ誕生の一因になったのだとか。



ラストに思わず
…おおおぉイ!選ぶのはそっちかよ!
・・・と、ツッコミの一つや二つ
いや三つ四つ、まとめてツッコミたくなったのですが


そっちじゃなく
こっちを選んでいたら、なー

すべてを失った男
再起をかける彼を支えた女
いや〜これぞ美しい愛の物語
「愛こそはすべて」ですよね〜
よかった良かったハッピーエンド万歳!
・・・なーんていうことになるんだろうけど

…んなわけないわね^_^



予告編の、イーサン・ホークが披露している歌声に
ただ褒め称える、賛美する映画ではないな、と。
彼の、チェット・ベイカーへの愛情を感じる

イーサンの言葉
『彼は沢山の問題を抱えた人間だった
 そういう人を、愛情を持って演じたかった』



ほとんど、
まるで好きな音楽家の曲を
敬愛しトリビュートする
音楽家みたいじゃないですか。

演技でもって
映画でもって
トリビュートしてるような。



 僕の変てこな恋人
 君は僕を心から笑顔にさせる

 笑っちゃうような容姿
 ギリシャ彫刻には負けるし
 写真映りも最悪
 口を開いて出てくる言葉は
 知性的でもない

 でも変わらないで
 僕を好きなら
 ずっと変わらないで
 そばにいて



ほんと、この歌ってるとおりで

チェットは恋人へ向けて歌っているけど
演じるイーサンが
チェットに向けて歌っているようにも聞こえるね。

歌ってる歌詞そのまま
変わらないで、と



どんな男性の中にも
情けない部分てある。
…もちろん、女にもある。

とことん、どうしようもなく
心底情けない男ってのも
世の中にはいるもので。



チェット・ベイカーファンには
怒られそうですが(・_・;


でも好きなのよ。
あのか細い声も
トランペットの音色もね。



変わらないで。という言葉は
敬愛のコトバでもあるのね♪
高橋早苗

高橋早苗