Donatello

ルームのDonatelloのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.5
ママと2人だけの部屋。
ずっとママと2人きり。
でもママを助けるために"世界"へ出た。
"世界"はいろんなことがあるけれど、ママと2人だから大丈夫。
"世界"を知ったら部屋はやっぱり狭かった。

ある程度は観る前に大まかなプロットを知ってて、「きっとこういう展開なんだろうな」という所は全く裏切ってはこなかったのだけど、そもそもあらすじとか正直どうでも良かったね。

もうね、途轍もなくママと息子ジャックの2人、ブリー・ラーソンちゃんとジェイコブ・トレンブレイ君の演技が凄くいい。
「苦悩」や「恐れ」に対する表現が半端ない。
初めて外の世界を知ったジャックが、トラックの荷台で空を見た時の顔ったらもうね。
それらの秀逸な演技を引き立てるカメラワークも抜群。
それだけでも観るに値すると思う。

その他ママのお母さん役のジョーン・アレンさんの演技も抜群で、最近ジェイソン・ボーンを追いかけてないので暇なのか若干ふくよかになられてましたが、娘と孫を見守る視線はグッとくる。
そんなバァバと2人でバスルームいる時のジャックの一言は僕の涙腺ダムを完膚無きまでに粉々にする破壊力。

関係ないけどストーリーの展開的に良かったのが女性警官。 素晴らしい洞察力。子供の話でも注意深く聞くべきだという良い例。
そのうちベッドに横たわったデンゼル・ワシントンさんから助手のオファーくるねきっと。

ママとジャックの2人が、より一層絆を強く深めていく過程をこんなに丁寧に描いている作品に最早言葉もないですが、取り敢えずこの少年の心揺さぶる演技に、僕は手彫りのオスカー像を10体ほど送りつけたい。
Donatello

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