【この世界に誕生した君に】
その後悔は好奇心から始まった。
父親はいない。
でもお腹の中の胎動を感じた時は幸せだった。私は実際に母親になったんだし
この子を守らないといけないと思った。
大変な事も多かったけど手足を伸ばしたり
お腹を蹴ったりするその子のメッセージを五感で感じることができた。
いざ産まれてみると理解してくれない周りに徐々に私の心は不安定になっていった。
この子を産んだ意味ってなんだろう？
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【そこ】は温かくて薄暗くどこかふわふわしていて窮屈なんだけど心地よい。
僕は【そこ】に満足していたんだ。
でもある日、急にお母さんからあなたはここにいるべきじゃないって言われた。
僕は泣いて何度もそこから出るのは嫌だって感情をぶつけて足をバタバタさせたりキーキー声で叫んでみた。
でもそれも叶わなくて狭い筒の中に僕は無理やり押し込まれた。
薄暗い道をもがいてたらパッと明るい世界が広がった。
僕の知らない世界がそこには広がっていた。
僕はただびっくりしてぼやけた視界でその世界を見つめるしかなかった。
知らない緑色の服を着たおじさんがハサミで僕のへその緒をパチンと切り取った。
外の世界の大人たちは皆どこか息苦しそうだった。
どうしてそんな息苦しい世界にお母さんは僕を産み出したのだろう。
僕が産まれてきた意味ってなんだろう？
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これはそんなメタ的な産みの苦しみ。
そして産まれてくる苦しみを理解しこのリアルな世界を生きていくことを決めた親子の物語である。
何事も新しい世界に飛び込むのは勇気と行動がいる。そしてそれが必ずしも幸せであるとは限らない。4月から新生活を始めた学生や社会人はそろそろ馴染めてきた頃だろうか。
それとも前のクラスが懐かしく思う頃だろうか。上司と馴染めなくて転職を考えて
いる頃だろうか？
私たちは望む望まないに関わらず常に選択の日々を迫られる。
そしてそのたびに最善であると思われる選択の道を歩いてきた。
疲れたら少しくらい昔を懐かしむのもいい。
そこにあなたの成長があるのなら。
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