脱出するまでと脱出してからの構成が上手い。
5歳にして初めて空を、木を、草をら街を、人を見た時のシーンは印象が強く残っている。はじめまして「世界」とは、よく考えたものだ。「脱出」というイベントを経て、母親と息子の心境の変化が綺麗に描かれていた。
いや、結局息子の心境は変わっていなかったのかもしれない。
まだ幼きジャックにとっては、あの辛い経験も結局は自分の大切な日常だった。帰る場所だった。大好きな'へや'だった。母親と一緒に過ごした大切な時間だった。
さよならランプ、さよならイス1号、2号、さよなら洗面台、さよならトイレ……。
思い出の詰まった'生まれ故郷'捨てて一回り大きくなって、世界に飛び立っていった。
深イイ。
