takeachance

ルームのtakeachanceのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
-
色々なテーマはあれど、自分はこの作品を
内なる世界を創造するのと、
外の世界にいかに順応していくかの話として観た。
この物語は、子どもだけじゃなくて母親の成長物語でもある。
鑑賞後、自分ならこの状況に耐えられるだろうかと考え込んでしまった。

「僕は'へや'にサヨナラしたよ
 ママももう'へや'にサヨナラしなよ」

最初にルームに戻りたいとせがんだのは、
脱出以前のママとの密接な距離感や
関係性を懐かむ甘えの発言なんだけど、
最後に彼がルームに行きたいと主張したのは、
過去の思い出からちゃんと決別して、
次への新しい「世界」に移動しようと試みる決意の表明と受け取った。
彼のその急成長ぶりにたまらない気持ちになる。

ひさしぶりに実家に帰省した際に、
やけに天井が低いし、部屋が手狭に感じて、
「あれ?家、縮んだのかな?」と感じたことを思い出した。
幼い自分にとっては、そこが「世界」のすべてだったんだよなあと。

ブリー・ラーソンの迫真の演技に
アカデミー賞主演女優賞受賞も納得。
ジェイコブ・トレンブレイくんに主演「子役」賞をあげたい。
takeachance

takeachance