お母さんの監禁されている部屋で産まれて5年。たった5畳ほどの部屋から突然外にでた子供が、初めて世界を感じる物語。
世界の美しさと、それとは真逆に荒んだ世界に傷つけられた母親の途方もない苦しさや、子供の強さや尊さを体感できる
ドアの閉ざされた世界はあまりにも広く、ドアの開いた世界はもうその世界ではない
人は自分の知りえる限りが世界となり、良くも悪くもそこが最大で最幸だと感じることができる
しかし知ることが増えるにつれ、前の世界は空虚に思え
最大は自分の手に届かなくなり、
最大=最幸という方程式はいつの日か崩れてしまう
大人になり世界を知ることと
幸せになることとは
残念ながらイコールにはならず
自分の最幸がどこにあるのか覚えておくことが
絶対大切なんだと改めて思った