くるみ

O侯爵夫人のくるみのレビュー・感想・評価

O侯爵夫人(1975年製作の映画)
5.0
身に覚えの無い妊娠をした侯爵夫人。父親は誰かなのか?シリアスな冒頭からは想像できないけど観た後にはトリッキーな印象を受ける作品。おもしろかった…!
見どころは悲劇と喜劇は表裏一体だと言える展開。身分も高く、真面目一徹な性格の人間たちの一生懸命さ。決して間違ってはないのだけど、大げさな言動と古風な思考パターンがなんだか面白い。それでいて笑うことを躊躇してしまう空気が流れるし。

特にブルーノ・ガンツが怒涛のラッシュを繰り出して周囲を困惑させるシーンは絶対ニヤついてしまう!それでも物語を支えるのは侯爵夫人が相反する感情の間を行き来きし葛藤する姿だった気がする。
またうっかりセリフが耳に入らなくなるほど心奪われる美しい絵画的ショット(というかほぼ絵画、まさに職人技!)、思わず手触りを想像してしまう繊細で上質な衣装たちも見どころ。
くるみ

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