しゅん

O侯爵夫人のしゅんのレビュー・感想・評価

O侯爵夫人(1975年製作の映画)
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「救うと同時に辱める」という抜群に両義的な主題を持つクライストの原作を、蝋燭の火の余韻を通して洒脱に映像へと落とし込んだ傑作。至近で捉えながらも醒めた印象を残す母と娘の衝突シーンが素晴らしいし、オチも皮肉めいていてナイス。グザヴィエ・ドラン氏はこの映画が持つ感情の宙づりを『たかが世界の終わり』の手本にするべきではなかったか、などと思わず生意気なことを口走ってしまいたくなる。
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