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新婚日記 嬉しい朝のJimmyのレビュー・感想・評価

新婚日記 嬉しい朝(1956年製作の映画)
3.8
新型コロナ禍の中、角川シネマ有楽町にて鑑賞。

未ソフト化作品であり、「若尾文子映画祭2015~アンコール」(2016年1月3日@角川シネマ新宿)で初めて観た。
久しぶりに観たくなり、本日(2020年3月14日)、「若尾文子映画祭2020」@角川シネマ有楽町にて鑑賞。

『新婚日記~恥しい夢』との連作なので、その続きから始まる作品であり、新妻は若尾文子、新夫は品川隆二も同じ。
本作、新婚夫婦が互いに生活のために共働きするコメディタッチの映画。

若尾文子のナレーションで始まる。「目覚まし時計は人を起こすための物だが、新婚の二人を起こすことはできない」というもの。そして、二人で寝坊して布団たたむ場面の早回しが楽しい。

夫の給料だけだと家賃が払えないので、新妻が学校の見習い栄養士になる。しかし、校長のコネで雇われた栄養士が来て、栄養士を止めざるを得ない新妻。そのため炊事婦をすることになる。
また、夫も残業をしたいと上司に申し出て、昼はデスクワークだが、夜の残業は外での工事現場作業員をする。
二人は、お互いに炊事婦と作業員のことは内緒にしている。
また、夫が勝手に高価な箪笥を買ってしまって二人は夫婦げんかする。
ある夜、以前預かっていた女子学生が行方不明になったので探す新妻。女子学生を見つけて夜道を連れて帰る時に、夫が道路で作業員をしているのを見てしまう。

熊本から出てきた父親(東野英治郎)が、二人の内緒の仕事をそれぞれ見てしまって、共働きについて苦言を呈するが、結局納得する親父。「おいどんは嬉しいぞ!二人がいたわり合っとる!よし、この家を買うた!」と家持ち主の女性(藤間紫)に言う。そして、新婚夫婦が居る二階の電気を消してあげて「ゆっくり、くっつけ!」と言うあたり、なかなかイイ味を出している。

締めは若尾文子のナレーション。「目覚まし時計は、幸せな二人を起こすことはできない」というホノボノ…。

大映の小品であるが、とても若い若尾文子の美しさと素晴らしい声で個人的に満足の映画であった。
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