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ぼのぼののmitakosamaのレビュー・感想・評価

ぼのぼの(1993年製作の映画)
3.4
見たかったやつ!やっと配信にアップされました。
原作は勿論いがらしみきおの漫画。なんと今作では総監督・脚本の上にぼのぼののお父さんの声まで演じてる。(アニメーション側の監督はクレしんのムトーユージ)
それもあって原作絵がそのまま映像化されたようなクオリティだった。なんと言っても背景が良いよ。色鉛筆風のヘタウマ感ある作風が心地良い。でも背景動画とか凄い凝ってる所もあるんだよな。実制作は亜細亜堂なのかな???

物語はぼのぼののいる森に、大きなジャコウ牛が通りすぎていくというもの。
特に大きなドラマが無い。ドラマが無いことを謳う物語なのだ。

ぼのぼのは「楽しいことは何故いつか終わるのだろう?」と悩む。声が藤田淑子だ。一休さんの聡明そうな声質でおっとりキャラを演じるのが不思議な感じ。
そんな中、アライグマ君が仕入れた情報で、巨大な生物が通り大変なことになると聴きシマリス君と3人で見に行くことになる。いぢめる?

ヒグマのお父さんは牛が来ると何かが起きてしまうと警戒。かつて争ったスナドリネコさんと色々悶着がある。

結局牛はただ通り過ぎるだけで何も起こらない。「楽しいことが終わるのは、厭なこともいつか終わるため」とスナドリネコさんが諭す。何か起こりそうで何も起きない。それが人生。
うーむ、真理だ。

癒やしを与えるアニメーションだが、アライグマ君の粗暴さなどは普通に描かれる。アライグマ君は親父も粗暴で、底辺な育ちの悪さがあるんだよね。これって西原理恵子などに通ずる底辺の癒やし文化なんだとわかる。実は感覚としては「ぼくんち」とかに近い。

汗の表現や独特な間など、漫画ならではの記号的表現も注目だ。表現方法が独特すぎて見づらい人には抵抗あるかもしれない。
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