あきしげ

金メダル男のあきしげのレビュー・感想・評価

金メダル男(2016年製作の映画)
3.0
彼にとって「一番」を目指す事が生き甲斐。

良かった点。

・知念侑李と内村光良のアクがない演技
・ダイジェストに振り返る人生には共感
・どんな事があっても決して諦めない男

悪かった点。

・映画としての流れは悪い
・淡々すぎて抑揚が少ない
・中盤過ぎがピークとなる

内村光良による原作、脚本、監督、主演の作品。
まさに内村光良ワールドという感じのスタイル。
そこにダブル主演となった知念侑李がハマった。

伝記映画と似たタイプで淡々としている。
そのせいで予想外の出来事もあまりない。
あったとしても淡々と片付けていきます。
これが作品の面白さを殺していると思う。

物語の大半は主人公の回想録。
過去の出来事を語るだけです。
それを乗り越えた僕がいます。
そんな感じの既視感ある作品。

ただ、内村光良は他のお笑い芸人と比べてアクがない。
ビートたけし、松本人志、品川ヒロシよりも観やすい。
クセがないので嫌いじゃないけどインパクトに欠ける。
だけど、スルメのように噛みしめて味が出る感じです。

本作については共感を得る部分でも違ってくる。
主人公と同じように中途半端な人は理解できる。
そんな人たちを励ますような作品だと感じます。

普通なら悲観するところだが主人公は違う。
常に前向きで笑って歩んでいる姿が印象的。
だからこそ最後まで鑑賞できると思います。

ですが、本作のピークが中盤過ぎとなる。
積み上げた技術と経験が集約される中盤。
ここでそのコマを使ったのは早すぎます。
そのせいで残りの時間が別の作品になる。
本来ならクライマックスまで取っておく。
そこで積み上げた人生を投じるのが定石。
これを無視してしまったおかげで微妙に。

それでも諦めない男の生きる力があります。
過去の栄光に縋るのは醜いかもしれません。

でも、それに向けて努力する事は間違いじゃない。
そんな事を本作から伝わる内村光良のメッセージ。
あきしげ

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